ツーリングや街乗りの頼もしい相棒、クロスカブ110。
通勤や買い物に使うことも多く、すっかり生活の一部になっている愛車です。
ところが先日、いつものように走り出そうとすると、どこか違和感がありました。
普通に走っていてはわかりませんが、なんとなくフワッとした感覚。
気のせいかと思いながらも、タイヤを押してみました。
親指に力を入れているわけではありませんが、タイヤが凹みます。
老眼なので、わかりやすいようにと車体に貼った指定値を見ると、前輪1.75kgf、後輪2.25kgf。

ゲージ付きの空気入れを持ってきて、測ってみました。
メーターは前輪も後輪も、想像以上に空気が抜けていたのです。
こちらが前輪。

そしてこちらが後輪。

しかし実測では、前輪も後輪も1kgfちょっと。
ほとんど、空気が抜けている状態です。
いつも使っているだけに油断していましたが、このまま乗り続けていたら危なかったと思います。
でも、もしかしたら随分前からこの状態だったかもしれません。
この出来事がきっかけで、日常点検の重要性を改めて考え直しました。
タイヤの空気は「減って当たり前」
タイヤの空気は、自然と抜けていくものです。
このクロスカブ110を買った時も、バイク屋さんから「タイヤの空気はこまめに見てくださいね」と言われていました。
一般的に、新品でも1か月で5〜10%ほど減ることがあると言われています。
それに加え、季節の気温変化でも空気は膨張・収縮します。
今年の暑い夏を、何もメンテせずに過ごしてしまいました。
特にこれからの秋から冬にかけては、朝晩の冷え込みで空気圧が下がりやすく、知らないうちに走行性能が落ちていることも少なくありません。
クロスカブのように日常使いが多いバイクでは、距離の割にタイヤにかかる負担が大きくなります。
通勤や買い物などの短距離走行ではタイヤが十分に温まらず、自然放出が進みやすいのです。
私も最近、加速時にモタつきを感じていましたが、まさに空気圧不足が原因でした。
空気圧が下がると、走りも安全性も変わる
空気圧が不足すると、まず感じるのが「ハンドリングの重さ」です。
しかし、私は気づかなかった。。
カーブでの切り返しが鈍く、車体がねばつくような感覚になります。(なるはず。。)
また、ブレーキの効きにも影響します。まったく気にしていませんでした。。
接地面が広くなりすぎることで抵抗が増え、ブレーキの制動力が伝わりにくくなるのです。
さらに怖いのは、グリップ力の低下です。
タイヤのたわみが大きくなることで、路面との接地が不安定になります。
結果、コーナーでのふらつきや直進安定性の悪化、偏摩耗、燃費の悪化といったトラブルにつながります。
あちゃー。
「いつも乗っているから大丈夫」という油断が、一番危険なのですね。
むしろ、毎日乗る人ほど定期点検が必要だと感じました。
メーカー指定値は「安心して走るための基準」
バイクのタイヤには、それぞれの車種ごとに「推奨空気圧」が設定されています。
これは単なる目安ではなく、その車体の重量や走行バランスを考慮した“最適値”です。
クロスカブ110の場合、前輪1.75kgf/後輪2.25kgfが標準。
この数値を守ることで、設計通りの性能が発揮されるようになっています。
逆に言えば、この範囲を外れると、ブレーキ性能・乗り心地・燃費など、すべてのバランスが崩れてしまいます。
数字で見ると小さな差に感じますが、実際の走りには驚くほど大きな違いが出ます。
「感覚的に大丈夫」ではなく、「計って確認する」が大切です。
点検してみて分かった、走りの軽さと安心感
今回、空気を入れ直したあとにすぐ近くを走ってみました。
たった数分の作業だったのに、走り出してすぐに違いを感じました。
ハンドルが軽く、車体の動きがスムーズ。乗り心地は固いがしっかりしてる。
コーナーの進入も安定していて、タイヤがしっかり路面をつかんでいる感覚があります。
空気圧が適正になるだけで、これほどまで走りが変わるのかと驚きました。
使用したのはPanaracer製のフロアポンプ。
もともとは自転車用ですが、安いし、ゲージが大きくて見やすく、少しずつ加圧できるので正確に調整できます。
こうした道具を手元に置いておくと、日常点検のハードルが一気に下がります。
作業そのものも楽しく、愛車への愛着がさらに深まります。
習慣化のコツと季節ごとの注意点
空気圧の点検は、理想を言えば週に一度が目安です。最低でも月に1回は確認しましょう。
難しければ、給油のたびに測るだけでも効果的です。
最近はコンパクトな電動エアポンプも多く、USB充電式のものならツーリング先でも使えます。
自宅でさっと測れる環境をつくると、点検がぐっと身近になります。
また、季節によっても意識を変えたいところです。
冬は寒さで空気が縮み、圧が下がりやすくなります。
春や秋の気温変化が大きい時期も要注意です。
長距離ツーリングの前には、必ずチェックしておく習慣をつけると安心です。
まとめ:日常点検は「安全の貯金」
今回の出来事を通じて、改めて感じたのは「整備こそ最高の安全装備」ということです。
ヘルメットやウェアと同じように、タイヤの空気も命を守る装備の一部です。
目に見えない部分だからこそ、日々の点検が大切になります。
バイクは、メンテナンスを怠らなければ長く走り続けられる乗り物です。
空気圧を正しく保つことで、燃費もタイヤ寿命も伸び、何より安心して走れます。
そして、その安心感がツーリングをより楽しくしてくれるのです。
日常のひと手間が、安全と快適さを守る最大の秘訣。
これからも愛車クロスカブと共に、足元から安全を積み重ねていきたいと思います。

 
	 
		 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			
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